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男性更年期障害の話E
うつ病、適応障害と男性更年期障害(LOH症候群)

 男性更年期障害もしくはLOH症候群の方は最初に心療内科を受診する事が多いようです。男性更年期障害の精神症状はうつ病や適応障害の症状と見分けがつきにくいという点や、患者様が企業などに所属していた場合は産業医などの指示で『うつ病の疑い』などとして心療内科や精神神経科を受診するわけです。

 心療内科を受診した場合は、当然心療内科領域の診察を行い、診断が下されます。『うつ病』『うつ状態』『適応障害』などと診断されるケースが考えられます。そして、それらの疾患に対してSSRI、抗うつ薬などが処方される事になります。これで症状が改善されれば問題はないのですが、男性更年期障害の要素を持つ人は症状の改善確率が低いように感じます。さらに血液中の男性ホルモンであるフリーテストステロン(FT)の値が低いLOH症候群の方は、理由は定かではないのですが、薬の副作用(眠気、だるさ、嘔気、口の渇き、めまい、発汗など)が強く服用を中断せざるを得ないケースが通常のうつ病より多い印象があります。LOH症候群の身体症状が改善しないのも悩ましいところです。心療内科の処方薬で改善するのはあくまでも精神症状のみであり、筋力の低下やEDなどの症状の改善に直接結びつく事はありません。

 また、うつ病や適応障害とLOH症候群もしくは男性更年期障害はしばしば合併します。そのため治療を併用していく必要がありますが、これがなかなか難しいのです。心療内科もしくは精神神経科は非常に専門性の高い領域です。その分野を極めた先生方は良くも悪くもスペシャリストであり、身体全体を俯瞰して診るジェネラリストではありません。そのため、心療内科ではLOH症候群を疑って男性ホルモン値の測定を行う事は現時点ではほとんど行われてないのが実情です。

 逆にLOH症候群の専門家の立場からはどうでしょうか?彼らも泌尿器科もしくは内科などの専門を持ち、その立場からLOH症候群の診断、治療を行います。その際、本来ならば鑑別すべきうつ病などの心療内科的疾患を充分には見分けられない事があります。心療内科領域の薬でLOH症候群の身体症状の改善が困難な事と同様に、LOH症候群の治療である男性ホルモン補充療法では、心療内科的疾患による精神症状の改善は困難です。

 LOH症候群とうつ病・適応障害を同時平行で診断、治療していく事が重要なのです。

 当クリニックでは、LOH症候群もしくは男性更年期障害で通院されている患者様で心療内科的疾患が疑われた場合は、その時点で簡易スコアなどを用いて一次診断を行っています。その上で、当クリニックで治療可能と判断した場合には内服薬などを処方しますし、より専門性の高い診断、治療を要する可能性がある場合は、適切な医療機関を責任を持ってご紹介し、当クリニックと同時に連携して治療にあたります。

 現在、心療内科などを受信されている方で、当クリニックで男性更年期障害もしくはLOH症候群の診断、治療を希望される方もぜひ一度ご相談ください。現在おかかりの心療内科に通院はそのまま、当クリニックで治療を受ける事も可能です。

男性更年期障害については、
当クリニック、LOH症候群・男性更年期外来のページよりご覧ください。

代官山パークサイドクリニック
院長 岡宮 裕

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