漢方薬の話 更年期障害・月経にまつわる諸症状 of 代官山パークサイドクリニック

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内科 病院 代官山パークサイドクリニック院長 岡宮裕コラム

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漢方の話・24番 加味逍遥散(カミショウヨウサン)
~更年期障害・月経にまつわる諸症状~

2010.4.20

「更年期障害」「月経にまつわる諸症状」に著効する漢方薬の話をします。

ツムラやクラシエなどから顆粒の漢方薬としても出ている24番・加味逍遥散(カミショウヨウサン)という名前の漢方薬です。この漢方薬の出典は北宋代、大観年間(1107-1110)に当時の中国が国家プロジェクトとして作り上げた古今の漢方をまとめた処方大全集である「和剤局方」です。ちなみにこの「和剤局方」には加味逍遥散を含めて297処方が収録されています。

 漢方は自然の草木や鉱物などの成分である「生薬」を組み合わせて出来ています。加味逍遥散は下記の10種類の構成生薬から作られています。

柴胡(サイコ)
東アジアに広く生息するセリ科の多年草サイコの根
芍薬(シャクヤク)
キンポウゲ科の多年草シャクヤクの根
当帰(トウキ)
セリ科の多年草トウキの根
茯苓(ブクリョウ)
サルノコシカケ科のキノコ、マツホドの外層を取り除いた菌核
甘草(カンゾウ)
マメ科の多年草カンゾウの根
生姜(ショウキョウ)
ショウガの根茎
薄荷(ハッカ)
ペパーミントとして知られるシソ科の多年草
蒼朮(ソウジュツ)
キク科の多年草ホソバオケラの根。白朮を使用する場合もある
山梔子(サンシシ)
クチナシの完熟果実を乾燥させたもの
牡丹皮(ボタンピ)
花が美しいボタンの根

上記のうち、当帰・牡丹皮が瘀血を改善しますが、当帰は血を補う作用もあり血虚を併せ持つ陰・虚の証の人にも効果的ですし、牡丹皮は「清熱涼血」つまり陽・実の証の人などの高度な瘀血に効果的です。芍薬が血行の調整、痛みの緩和をつかさどります。
柴胡は肝を保護し、上腹部の熱感や精神症状にも効果があります。山梔子は黄疸や熱を取り除きます。甘草が筋肉の緊張をゆるめ、性質の違う他の生薬の調整をはかります。
生姜は体を中から温めるとともに体の中の水のめぐりを良くし、吐き気などを止める作用があります。茯苓・蒼朮(白朮)は体の中の水のめぐりを改善し、むくみを取り、胃腸の働きを良くします。
薄荷は清涼・沈静作用がありイライラなどの精神症状に即効性をもって効きます。

本剤の適応はツムラによると以下となっています。
体質虚弱な婦人で肩が凝り、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症 冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症

 「逍遥」という言葉は、そぞろ歩くという意味で、ウィンドーショッピングの様にあっちこっちをうろうろ歩き定まらない様子を指します。この様に自覚症状が次々と変化する婦人の病態を治すために開発された「逍遥散」(上記の生薬のうち上から八味のみのもの)に効果増強を狙って山梔子・牡丹皮を加えたものが「加味逍遥散」です。
その結果、効果増強に加えてやや実証よりの人にも効果をもつ使い勝手の良い処方となりました。そのため、現在では逍遥散はほとんど使われず、加味逍遥散が頻用されています。ちなみに、「逍遥散」はクラシエのOTC薬として存在しますので、エキス剤で内服は可能ですが保険適応にはなりません。
 加味逍遥散は以上の特性から、多様な症状を呈し慢性的な経過をとる更年期障害にはまさにピッタリの漢方薬です。また、ツムラの解説には、「体質虚弱な~」と記述されていますが、虚証から中間証はもとよりやや実証の人まで幅広く使用出来ます。そのため更年期障害に使われる漢方薬の中では23番の当帰芍薬散25番・桂枝茯苓丸を抑えて24番・加味逍遥散が処方量ナンバーワンとなっています。また20歳代などの若年の女性でも、ストレスがある時や体力が低下傾向の時、ダイエットの影響がある時などの月経不順・月経困難の緩和、虚弱体質改善に効果を発揮します。またイライラやクヨクヨなどの症状も一緒に改善しますので全体的に治していきたいという時には良いと思います。

 女性が服用するケースが圧倒的に多い処方ですが、慢性の肝臓病を持っていたり、お酒を良く飲む男性の方にも著効する場合があります。柴胡・山梔子の効果で肝臓の機能改善が期待できるため、ウィルス性肝炎・肝硬変などの慢性肝疾患があり、その影響で精神症状がある場合はぜひとも試してみたい処方ではあります。
 また血と肝の両方に効く漢方であるため、適応病名にはありませんが、しみ、手掌角化症、慢性湿疹などの皮膚症状の改善にも効果的です。

 加味逍遥散は味覚的にもお腹への負担という面でも比較的飲みやすい漢方です。しかし、副作用として少しお腹がゆるくなる人がいるようです。女性はある程度便秘傾向を持っている場合が多いので、むしろ便秘が解消されて嬉しいという人の方が多い印象があります。もしも若干の下痢になる場合は服用回数を1日3回から1~2回に減らして数日様子を見て頂ければ自然に解決します。

 更年期障害は慢性に経過し、悪化すると改善に時間を要します。早めの漢方内服が効果的です。
 当、代官山パークサイドクリニックでは、この加味逍遥散をはじめとした「更年期障害」「月経関連症状」に良く効く漢方の治療を行っています。これらの症状でお悩みの方、漢方の興味がお有りの方など、お気軽にご相談ください。

代官山パークサイドクリニック
院長 岡宮 裕

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