戦後、血圧測定の方法が確立され、一般的な外来でも行われるようになってきました。
そして、高血圧が各種動脈硬化疾患の原因となりうることも、大規模疫学調査で明らかになって来ました。
しかし、それに比べて遅れを取っていたのが、血圧を下げる治療です。

高血圧治療の始まり

塩分制限以外は、瀉血という血液量を減らすという原始的な手段が用いられており、
他にも、蛭を使った血圧治療なども治験として行われているなど、まことしやかに語られていました。

また、交感神経亢進が血圧上昇を招くため、外科的手法で交感神経切除術を行い、血圧を下げる試みも行われましたが、
手技の大変さに反して、期待されたほどの治療効果は得られませんでした。
高血圧治療の初期は、瀉血を含めて、外科的な手法がとられていたのは驚きです。

1950年代に入ると、アメリカの生命保険会社が、保険料率の決定の際に、高血圧と死亡率の関係に着目するなど、
自覚症状がなく健康と思われている人の血圧を下げる事の意義が言われるようになってきます。

時を同じくして行われていた、マサチューセッツ州フラミンガム市における大規模疫学研究である
『フラミンガム研究』の分析結果からも、自覚症状のない“健康高血圧”の人の血圧と心血管障害のリスクと
関連があることが統計的に示唆されます。

この様に、重症高血圧患者の対症療法的、外科的治療から、“健康高血圧者”の治療へと研究は移って行くのですが、
健康高血圧の治療に於いては、内服薬による内科的高血圧治療が必須となります。
そのため、血圧を下げる薬=降圧剤の開発が必須となりましたが、その開発には長い時間がかかりました。

高血圧の治療薬の開発

高血圧の治療薬の最初は、1953年に交感神経抑制薬であるレセルピンでした。
交感神経切除による外科的血圧治療を、内服での交感神経抑制で代用しようという試みでした。
レセルピンは、フェノチアジン系薬物の使用困難な統合失調症、うつ病に有効な内服薬で、
精神科治療に革命的な変化をもたらした内服薬ですが、これを使って血圧を下げようという訳です。

続いて、現在も広く使われている高血圧に作用する多くの薬が開発されます。
1957年のサイアザイド系の利尿剤が発売されます。
1964年にβ遮断薬。
1971年にカルシウム拮抗薬。
1975年にα遮断薬。
1977年にアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)。
1991年にアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)。

こうして、現在の多彩な高血圧治療が形になって行ったのです。

これらの治療薬により、血圧のコントロールが行われるようになった結果、
我が国では増え続けていた脳血管障害が1970年代をピークに減少に転じるなど、一定の成果が見られるようになっています。

一方、降圧剤のラインアップが揃ってくるにつれて、血圧をどれくらいにするべきかという論議がされてきました。
それまでは、血圧治療をどの時点で始めて、血圧をどれくらいにコントロールするかは、各医師の判断によるところが大でした。
そこで難しいのが、健康高血圧者は、自覚症状に乏しいという事です。

『検診で高血圧を指摘されるも、何も辛い症状はない。むしろ絶好調。
 でも、健診の際の指示に従って医療機関にやってきただけ。何も困っていない。』といった患者さんです。

自覚症状に乏しいばかりか、血圧が高めの患者さんには、比較的アグレッシブで元気な人が多いのです。
その患者さんに降圧剤による治療を行うと、血圧が下がる事によって、多少元気がなくなってしまう傾向があります。
そのため、主治医の判断で、多少の血圧に目をつぶってしまう傾向にもあったのです。

高血圧治療は、自覚症状による対症療法ではなく、疫学的調査に基づいた予防医学的治療の側面が大きい事を考えると、
医師の裁量により治療が変わる事はあまり良い事ではありません。

そのため、我が国では、2000年以降『高血圧治療ガイドライン』というものが創られて、
それを元に治療が行われるという様になっています。

次回は、高血圧ガイドラインの内容と高圧目標の変遷についてお話したいと思います。

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