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肥満とダイエットの話2020 ①肥満はエピデミック、世界は肥満に向かっている!


 先日、新型コロナウィルスの重症化リスクに関連する話として、WHO(世界保健機構)が、『(新型コロナウィルスの重症化を招く)肥満はエピデミックである。』と発言して話題となりました。
 エピデミックという言葉は、WHOなどでは感染の規模を表わす公衆衛生用語として使われており、“国などのレベルでの感染拡大”を表わします。ちなみに、これが全世界規模の感染に発展すると“パンデミック”、もっと矮小な国内の一部地域に現局の感染流行を“アウトブレイク”と呼びます。
 現代では上記の様な使われ方をするエピデミックという言葉ですが、もともとはギリシャ語で、“すべての人々”という意味を持つそうです。そういう意味からは、肥満の問題は世界中の全ての人々に共通した問題と言えるでしょう。
 これから数回に渡って、現代人が避けては通れない肥満とダイエットの話をしたいと思います。

 WHO等の国際統計では、肥満の定義はBMI(体重kg÷身長cの二乗)=30以上となっています。ちなみにBMIの標準値は22、肥満傾向は25以上です。
 国際的に見た肥満傾向のBMI30というのは、具体的に言うと次のようになります。
身長 145㎝ 150cm 155cm 160cm 165cm 170cm 175cm 180cm 185cm
体重 63.1㎏ 67.5kg 72.1kg 76.8kg 81.7kg 86.7kg 91.9kg 97.2kg 102.7kg
 なかなかこれだけの体重がある人は我が国では少な目ではないでしょうか。2016年の18歳以上の統計では、我が国でBMI30以上の肥満者の割合は4.4%(男性4.6%、女性4.1%)となっているとの事です。

では国際的にはどうなのでしょうか。
 2016年にWHOが18歳以上の男女を対象に、世界195の国と地域で調べて、191か国から回答を得た結果の肥満度の順位によると、肥満度世界一はナウル共和国で60.7%となっています。ナウル共和国はオセアニアの人口1万人程度の小国ですが、現在深刻な肥満と成人病の発生に苦慮しているとのことです。
 肥満度国際比較では、ナウルに続いて、オセアニアの島国が続き、11位にアメリカ合衆国が肥満度37.3%でランクインしています。アメリカ合衆国は我が国の実に8倍以上の肥満者の割合があるという事です。
 以下の国々で主な所を挙げると以下になります。
 18位ニュージーランド32.0%、24位オーストラリア30.4%、27位英国29.5%、32位アルゼンチン28.5%、43位スペイン27.1%、55位ドイツ25.7%、57位ロシア25.7%、76位フランス23.2%、81位イタリア22.9%、97位スイス21.2%、120位マレーシア15.3%、134位タイ10.8%、152位北朝鮮、160位中国6.6%、162位シンガポール6.6%、172位韓国4.9%、182位日本4.4%、184位ウガンダ4.1%、185位インド3.8%、186位ネパール3.8%、187位エチオピア3.6%、190位チモール2.9%、191位=最下位ベトナム2.1%となっています。
 近年、我が国でも肥満と肥満防止は疾病予防的に見て緊急課題とされていますが、国際比較でみるとまだだいぶマシな方と言えるかもしれません。
 では、世界はいつごろから深刻な肥満問題を抱えるようになったのでしょうか。次回は我が国や英国に於ける肥満度の年次推移についてお話したいと思います。