現在発売中の週刊新潮(2019年8月15・22日号)に男性更年期障害(LOH症候群)の治療特集があり、当代官山パークサイドクリニックも紹介されています。
男性更年期障害のうち、実際の男性ホルモン低下を伴うものをLOH症候群と呼びます。
その男性更年期障害、LOH症候群についてのお話です。

ひと昔前に比べると、男性更年期障害という疾患概念は一般的になってきた感があります。しかし、男性更年期障害の治療に携わる側から見ると、疾患概念の把握や対応については、大きく誤解されている面があるのは残念に思います。
男性更年期障害かな?と感じたらどうしたらよいのかを簡単に話したいと思います。

30代後半以降で、疲れやすい、集中力がなくなる、ともかく気力が出ないという事が続く場合は、LOH症候群を疑う必要があります。
LOH症候群かなと思った場合、まずはAMSスコアというスコアシートで判断します。
AMSスコアは当院のホームページなどにも載っています。
このAMSスコアが37点以上である場合、医療機関でLOH症候群の有無を診断してもらう必要があります。
医療機関では、他の疾患を見分けるためのスコアの記入と血液検査を行います。
血液検査では、テストステロンという男性ホルモンンの総量や実際に働いている男性ホルモンを表す遊離型テストステロン(フリーテストステロン)の測定を行います。
また、脳下垂体から分泌されるLHという刺激ホルモンや、ストレスがかかると消費されるコルチゾールというホルモンなどを測定し、これらの値から病状を専門的に判断します。
そして、ホルモン値が低下している場合は、まずは生活習慣の改善やサプリメントなどにより改善が認められないかから開始します。
1-2か月後に再度男性ホルモンを測定し、改善が認められない様であれば、駐車による男性ホルモン補充療法を行います。
症状が高度であったり、データによっては、早期からホルモン補充を行う場合もあります。
男性ホルモン補充療法は、2-4週に一度の割合で10回を1クールとして治療を行い、その後いったん終了。4週間以上開けて再度採血を行い、治療効果などを判断します。そのうえで、その後の治療方針を決めていくこととなります。

また、最近は、表立った男性更年期障害の症状に乏しいのに男性ホルモン値が低い状態、いわゆる『隠れLOH症候群』というべき病態もしばしば見受けます。
男性ホルモンは、男性においては代謝機能に深く関与しています。
そのため、男性ホルモンが低下すると、代謝活性が落ち、心身ともに元気がなくなるのみならず、体重増加や、コレステロールや中性脂肪などの上昇や血糖コントロールの悪化、血圧の乱高下を伴う上昇などにつながります。
例え自覚症状に乏しくても、男性ホルモンが低下すると、成人病=メタボ疾患のリスクが高まるのです。

30代後半以降で、特に思い当たることが無いのに検診での数値が急激に悪化した場合や、医師の指示通りに節制をしてもデータが一向に改善しないという場合などは、“隠れLOH症候群”を疑って、一度男性ホルモンを測ってみても良いかもしれません。
当院は、もともと内科のクリニックであるため、この“隠れLOH症候群”の診断や、LOH症候群と内科疾患を同時に診断、治療を行う事を得意としております。
気になる方は、お気軽にご相談ください。

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